JAGDA OITA > プロジェクト実績 > 第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009 「温泉デザイン協奏湯」
第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009
「温泉デザイン協奏湯」
グラフィックを基本としたコミュニケーションデザイナーとして世界的に高い評価を受けている原研哉さんを講師にお招きし、日本人が古来より持ってきた伝達への美意識や感受性を「EMPTINESS(エンプティネス)」という概念で解説いただきながらデザインを視点とした温泉地の魅力作りを模索。
またJAGDAイントラネットよりJAGDA九州の地域テーマ「日本を見直そうプロジェクト」で制作された温泉和手ぬぐいを展示致しました。
第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009「温泉デザイン協奏湯」レポート
講師に原研哉さんをお招きし、日本人が古来より持ってきた美意識について、神社の成り立ちを通して講演のテーマである「EMPTINESS(エンプティネス)」という概念を解説していただきました。
「EMPTINESS(エンプティネス)」は原さんの代表的なお仕事でもある無印良品へと繋がっていきます。
無印良品はシンプルではなくエンプティネス。エンプティネスとは「何にでもなる」という意味で、「これがいい」ではなく「これでいい」と買う人に言わせるのだという。
「これでいい」という言葉の中には「私にはこれでいい」という抑制の美がある。
また、原研哉さんがADを担当した無印良品のキャンペーンポスター(地平線)の写真を撮影したときの苦労話、免許を持っていない原研哉さんだからできる日本の車の美しさ・素晴らしさの提案など、グラフィックデザイナーのみならず、様々な興味深いお話を聞く事ができる講演でした。
「モノ作りには技術だけではなく美意識が必要。丁寧・緻密・簡潔、その三つが日本の美意識。美意識は資源。これがなければモノは作れない。この10年頑張れば、モノ作りの先端に自分たちの美意識を繋いでいければ、車だって、繊維だって、ホテルだって、レストランだって、すごいモノができる。そういうものをやってみたい」と語る原研哉さん。
「戦後しばらくは工業立国として発展したが、場合によっては観光立国をした方が日本はいいかもしれない。観光立国としての資源はこの風土、日本列島という素晴らしい環境、そこにある美意識。これを組み合わせるとものすごく強烈な、世界中の人たちが憧れるような場所が生み出せるのではないか。どれくらいまじめに考え抜いていけるかがこれからの課題。デザインには大きな可能性がある。そういうところにデザインの未来があるのではないかなと思います」
最後の言葉に、グラフィックデザインの未来が開けたように思えます。
原研哉さんの講演後、交流パーティーが開催され、様々な職業、年齢の方たちが交流されました。
交流パーティーの後は県外から来場された方のために、夜の路地裏散歩が開催されました。ガイドは別府ではお馴染みの別府八湯ウォーク連絡協議会のみなさん。会場出口には流しのはっちゃんぶんちゃんがお出迎えしてくださり、一気に別府の夜のムードを盛り上げてくださいました。
今大会のロゴがプリントされた旗を目印に、別府の夜の町を全員で堪能し、無事閉幕しました。
対象
JAGDA会員、一般、高校生、大学生
実施日
第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009「温泉デザイン協奏湯」
2009年6月6日(土)
13:30〜16:00
温泉和手ぬぐいデザイン展(併催展)
2009年6月6日(土)〜7日(日) 9:00〜17:00
開催場所
第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009「温泉デザイン協奏湯」
別府市中央公民館2階大ホール
温泉和手ぬぐいデザイン展(併催展)
別府市営竹瓦温泉2階
講師
原 研哉(日本デザインセンター)
主催
(社)日本グラフィックデザイナー協会
実行
JAGDA大分地区
後援
別府市・大分合同新聞社・NHK大分放送局・OBS大分放送・TOSテレビ大分・OAB大分朝日放送・エフエム大分・大分ケーブルテレコム・シティ情報おおいた
協力
大分県デザイン協会・別府八湯竹瓦倶楽部・別府八湯ウォーク連絡協議会・平野資料館
「温泉和手ぬぐい展」
日本を見直そうプロジェクトの一環として「九州の温泉」をテーマに、JAGDA九州各県のデザイナー60名が和手ぬぐいをデザインしました。日本には素晴らしいものが溢れております。多岐に渡る魅力的なもの・地域・文化・風習などの中から、まずは「九州」をフォーカスし「温泉」について考えてみようという試みです。温泉には困らない日本ですが、地元九州の温泉をデザイナー目線で見直してみると、様々な和手ぬぐいの数々が生まれてきました。そこには、思わぬ発見と明日へのヒントがあるのではないでしょうか。
「温泉和手ぬぐい展」レポート
第6回 JAGDA九州大会 in 別府 2009「温泉デザイン協奏湯」と同時開催された「温泉和手ぬぐい展」は、情緒ある瓦葺きの屋根が魅力的な竹瓦温泉が会場として選ばれました。
これほど温泉和手ぬぐいの展示会場としてぴったりの場所はないのではないでしょうか?
空間からも温泉と和が立ち上る空間の中、畳の間にずらりと並べられた和手ぬぐいは見る人に楽しさを伝えています。
ガラス越しではなく、触れれば手に取れる距離感での展示が、訪れる方たちにも短さを感じさせる展示になったようで、購入の問い合わせもあったほどでした。
展示会期は二日間だけと短かったのですが、普段から温泉を利用している方たちや、たまたま立ち寄った観光客の方にも気軽に見に来ていただけました。
コメント(0)
コメントをどうぞ